ロボカップ姉妹の日常

ステッピー&ロック・オンの姉がロボットとか作りつつ制御の勉強してみたり、部品作ってあそんでみたり…

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【ロボット設計】設計値と実際のロボットを比べる手順【父執筆】

前回に引き続き、父執筆の記事です。
以下、父の文章↓




“狙って作る”がテーマですので、検証は大切です。
設計計算上のロボットの最高速度と、実際の最高速度を比較してみましょう。




○モータ電圧

マブチモータの箱に使用電圧範囲と適正電圧が示されています。
http://www.mabuchi-motor.co.jp/motorize/branch/b_0100.html
適正電圧の2倍が使用電圧範囲の上限になっているのが分かります。
ミニ四駆モータには適正電圧のみが示されていますが、負荷が軽く電流が小さい領域で使用する事も考慮して6.0Vは使用電圧範囲内と判断します。
6CHモーターコントローラ(ddk0668t)には保護ダイオードが搭載されており、6.6Vのバッテリー接続時のモータ出力端子の最大(プログラムで100%指定時)電圧はダイオードのVF=0.6Vとすると6.0Vとなります。




○モータ電圧の反映

ミニ四駆モーターは3.0V時の特性にて表記されていますので計算は3.0Vにて行いました。
回転数は電圧比例しますので、6.0V時は単純に2倍を採用します。
120:1・直径46mmのタイヤでの速度は0.48m/s(3.0V)でしたので0.96m/s(6.0V)となります。
(トルクもアップするのですが、負荷の小さい領域で設計しましたので影響は小さいです。計算に入れるともう少し速いと見積もれます。)




○オムニホイールの損失

3軸オムニホイールは進行方向と30度傾いて取り付けられており、周囲のローラーが回転することで、この傾き分の力を緩和することで成り立っています。
傾き分を0.87倍、ローラーの回転ロス分を0.8倍とすると、トータルのロスは0.87×0.8≒0.70となります。
(摩擦損失の設定は大変難しく、ウォームギヤなど摩擦駆動の効率は0.3程度しかありません。DOW64はローラー軸受とシャフトの硬度差が付いていたり低摩擦の要件を押さえてあるので0.8倍と見積もりました)
計算で得られる“おやじロボ”の速度は0.96m/s×0.70≒0.67m/sとなります。




○実際の速度の評価

プログラムで一定時間前進した距離を計る事で速度が計算できます。
加速の過程とトップスピードに達してからの速度が異なりますから、0.5秒と2秒で評価します。
3回走行の平均は

速度評価結果

実際の性能は計算より少し速いですね。
狙って作ったから、“実際”と“狙い”との差が明確になります。
高めだったのか、低めだったのか、どれ位の差があったのかを評価して、その“差”について推論しておくと、“技術者の勘”が磨かれます。
今回は、実際の性能が高めになったので、必要トルクを多めに見積もったか、オムニホイールの損失を多めに見積もったか、どちらも少しずつ多めだったかなど、の推論をしておくと良いでしょう。




○加速度の評価

加速度の評価は3軸オムニにてシンプルに駆動できる6方向を順次切り替えて6角形を描くプログラムを作って、ビデオカメラで撮影して観測します。
進行方向の切替時間は0.2秒としました。



0.2秒の切替に追従した良い動きをしています。
初心者には、この様な加速度重視のロボットが好ましいと思います。
ソフトを学ぶ際には、先ず徹底的にハードの不具合がない状態にする事が望ましいでしょう。
ハードの追従性の悪さが、ソフトの問題と混ざると“何をやっても良くならない”状態に陥ります。

心当たりはありませんか?

次回はラインセンサについて解説致します。

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【ロボット設計】トルクからモータを選ぶ方法【父執筆】

前回に引き続き、父執筆の記事です。
以下、父の文章↓






・“定格”をご存知ですか?

定格とは“使用限度”と考えれば、理解し易いと思います。
定格電圧10Vであれば、これを超える電圧を印加すると部品が故障、性能低下、寿命が短くなるなどの不具合が発生します。
定格を超えない様に余裕を持った設計(選定)を心がけましょう!

モータを選定する場合はバッテリー、モータードライバボード、配線の定格電流を知る必要があります。
詳細の計算については別の機会に解説します。
〇バッテリー2800mAh×40C=112A
〇モータドライバ6CHモーターコントローラ(ddk0668t)のXHコネクタの定格電流3A
〇XHコネクタ用配線(AWG22)定格電流4A
となり、この中の一番低い定格電流3Aを越えない範囲でモータを選びます。




・パワーアップモータの選定

入手性の良さ、お手軽な値段を考慮して、タミヤ・ミニ四駆モーターから選定します。
モータの構成部品に“ブラシ”と言うのがあります。
ロータ側の電極(整流子)に電気を良く通す材料を押し当てて、電流を流す仕事をします。

このブラシには金属ブラシ、貴金属ブラシ、カーボン(グラファイト)ブラシの3種類があります。

○貴金属ブラシ:馴染みがないと思いますが、電流を流すのに必要な押し当て圧力が非常に小いので低い電圧や少ない電流で回転することができます。
マブチ・ソーラーモーターに採用されています。

○金属ブラシ:FA-130、RE-260など、お馴染みのモータに採用されています。
ブラシ自身が板バネを兼ねていて、低価格になります。
ブラシの押し当て圧力も小さく定格電圧1.5Vのモータの多くは、この方式です。

○カーボンブラシ:電気を伝える部分にカーボン製のブロックを用いて、強い押し当て圧力によって、整流子に接触させます。
これにより接触部の面積が大きく、大電流を供給することができますが、摩擦が大きい為に小さな電流では回転しにくい欠点があります。
カーボンブロック自身が頑丈なので、起動・停止や正転・逆転の繰り返しに強い特徴もあります。

ロボットの駆動用モータは、起動・停止や正転・逆転を繰り返しますので、カーボンブラシタイプを選択します。

カーボンブラシタイプの消費電流は
http://www.tamiya.com/japan/download/pdf/mini4wd/parts/mini4wd_motor.pdf

○ハイパーダッシュ3:3.0A
○パワーダッシュ  :3.3A
○スプリントダッシュ:3.8A
○ウルトラダッシュ :5.0A
○プラズマダッシュ :5.2A

となり、使用可能なのはハイパーダッシュ3のみです。

今回は、無負荷回転数・停動トルクに加えて無負荷時電流・停動トルク時電流の4点を用いてグラフを作ります。
この計算書(水色のセルが入力欄です)の無負荷回転数の欄に32500rpm、停動トルクの欄に40.3g・cm、無負荷時電流の欄に400mA、停動トルク時電流の欄に3000mAを入力すると下図の様になります。

チューンモータギヤ比4種グラフ

赤い線が回転線、青い線が電流線です。
適切な負荷計算を行わずに、モータに高い負荷を強いると、パワーが出ない、消費電流が大きい、発熱する、寿命が短いの四十苦に陥ることがイメージできると思います。

計算書の“必要トルクから回転数を求める”の欄に1300を入力、各ギヤ比を“ギヤ比を入力”の欄に入力すると、ギヤモータの出力軸の回転数・トルク・電流が計算できます。

計算結果をまとめました。

チューンモータギヤ比4種

計算結果から87:1がベストです。
1300g・cm時の電流は1.4Aですので、モータ2個同時に動作する事を考慮すると2.8Aになります。
今回搭載した2800mAhのバッテリーでの稼動時間は2800mAh÷2800mA=1時間となります。
120:1の場合は1.1Aに電流低減できますので、モータ2個同時2.2A
2800mAh÷2200mA≒1.3時間となります。

おやじロボは87:1への換装が面倒だったので120:1のままハイパーダッシュ3モーターにしました。

【ロボット設計】ギヤモータを選ぶには。【父執筆】

前回に引き続き、父執筆の記事です。
以下、父の文章↓





・ギヤのしくみ

ギヤのしくみは“てこの原理の応用”です。
てこの原理は棒を支える”支点”、力を加える”力点”、おもりを置く場所を”作用点”と呼びます。

てこ

支点からの長さの比が5:1のてこを考えます。
長い方に10kgの力を加えると、短い方では50kgのおもりを動かすことができます。
ここで注目して頂きたいのは、力点と作用点の移動距離(赤線)です。
移動距離は作用点が1に対して力点が5の長さになっています。

てこ距離

移動距離と重さを掛けた値で比べると
50kg×1(作用点側)=10kg×5(力点側) 左右同じになりますね。

力が5倍になる魔法ではなくて、移動距離が長くなるかわりに力強さを得ているのです。
ギヤは、モータ(ピニオンギヤ)がギヤ比倍回転してギヤの出力軸が1回転する仕組みを作っています。

ギヤ写真

スピード(回転数)と引き換えに力を得ているわけですね。




・モータのしくみ

モータを説明するときには”負荷”という言葉がでてきますが、これは”荷物の重さ”と思ってください。
荷物の持たせ方は下図の様に単純で、半径1cmのプーリーに”おもり”をぶら下げた状態です。
負荷の大きさはモータシャフト中心から1cmの距離に何グラムぶら下げたかで示します。
これを“トルク”と言います単位は”g・cm”です。

g・cm説明図

モータの基本的性能を示す3つの負荷状態がありあます。

無負荷:おもり無しの空回り状態
適正負荷:モータの効率が最も良い状態の重さ
最大負荷(停動トルク):モータの回転が停止に至るときの重さ

モーターを人に置き換えるとこうなります。

モータ負荷説明図

100m先に荷物を運ぶことを目的とした場合。
無負荷の人が1着ですが何も運んでいません。
適正負荷の人は無負荷の人に少し遅れて到着しますが荷物を運んでいます。
最大負荷の人は荷物を持ち上げたまま一歩も移動できないのでゴールできません。
適正負荷から軽い方はモータの能力が余っている状態です。
適正負荷から重い方はモータの負担が大きいだけです。
文字通り“適正負荷”はモータの能力を有効に使えるポイントです。




・設計してみよう!

グラフにするとモータの特性をイメージし易いです。
必要なのは空回りの時の回転数(無負荷回転数)と最大負荷(停動トルク)の2点だけです。
例としてTJ-3のモータをマブチFA-130モータ相当として計算します。
こちらの計算書(水色のセルが入力欄です)の無負荷回転数の欄に12300rpm、停動トルクの欄に36g・cmを入力すると下図の様になります。

回転線図擬人化

モータの出力は回転数×負荷の関係になってます。
負荷が“0”でも、回転数が“0”でも出力は出ません。
モータ出力を最大にするには丁度真ん中の回転数6600rpm、トルク18g・cmの所になります。
適正回転数は、だいたい無負荷回転数の7割ぐらいと考えて良いでしょう。

ここで仮に最大出力トルク18g・cmのモータに直径4cmのタイヤをつけたらどうでしょうか?
半径2cmのプーリーに変更する訳ですから、てこの原理で、ぶら下げられる“おもり”は1/2の9gになります。(負荷の説明図を見てイメージして下さいね。)
9gでは、1100gもあるロボットを動かせそうにありませんね。
そこでギヤが必要になります。
目標トルクの設定の仕方は過去記事を参照下さい。
ここでは2個(3軸オムニは常に2個以上のモータを回転させるので)のギヤモータでロボットを吊り上げることができるトルクを設定にします。1100gを2個で分担するので1個当たり550g、直径46mmのオムニホイールの場合、半径23mmですので550g×2.3cm=1265g・cmとなります。
まるっと、丸めて1300 g・cmとします。
“ギヤモーターTT”は48:1、87:1、120:1、220:1の4種類です。
計算書の“必要トルクから回転数を求める”の欄に1300を入力、使って各ギヤ比を“ギヤ比を入力”の欄に入力すると、ギヤモータの出力軸の回転数とトルクが計算できます。

計算結果をまとめました。

ギヤ比4種

48:1には負荷が大きすぎる様ですね。
220:1は減速が大きすぎて速度がでません。
87:1、120:1が候補ですが、この結果はロボットが機嫌よく走っている状況ですので、相手ロボットと押し合う事を考慮して120:1を選択します。
ちょっと遅いですが、プログラムの検証には向いています。
実際にパルスボールの補足やアウトオブバウンズしないライン処理を完璧に仕上げるまではノーマル120:1を愛用しました。
確実に動作するプログラムが出来上がったら、次はパワーアップです。
FA-130系モータは色々な模型に採用されていますので、これらをギヤモータTTのモータと交換することでパワーアップが可能です。
交換は容易ですが、モータの最大消費電流には注意が必要です。
TJ-3B COREやTJ-3Bなどの本体モータドライバにはノーマルモータ以外は絶対に接続しないで下さい。
モータドライバボードの定格電流の70%までに収まるモータを選定する事をお勧めします。




パワーアップ用モータのお話は次回解説致します。

おやじロボの紹介【父執筆】

久しぶりの更新ですが、今回は私の父が書いた記事となります。
以下、父の文章↓




せとうちオープンで開催される“おやじリーグ”をご存知ですか?
目的に“既存のロボットキットの性能を最大限に生かしたロボットの製作、開発を通じて、メンターの技術スキルアップ、技術開発、技術交流を行い、子どもたちへの指導力の向上を図ることを目的としています。”とあります。
OB・OGがお手本ロボを持ち寄るだけでも技術の伝承になります。
素晴らしい取組ですね。


今年の関西オープン大会でも、ロボカップOB・OGと“おやじ”の参加が試みられました。
早速”おやじロボ”を製作して、出場しました。
本家おやじリーグのような製作に関する制限は無かったのですが、”特別な加工を必要とせず、また、高価でないものが望ましい。”を守ることにしました。
マイコンボードも入門者に優しいC-StyleでプログラミングができるTJ-3B COREを採用します。

"おやじロボ"の製作テーマは“狙って作る”です。
“狙って”とは物理法則に基づく設計をきっちり行うことです。
設計をするには、部品のしくみや性質をしっかり理解して、性能を出し切る工夫や計算(仮定を含めた概略計算でOK)が必要です。

計算と言っても四則演算で済むものがほとんどですので、是非試してみて下さい。
自分の作りたいロボットに必要な部品が計算で選定できれば、部品購入に無駄がなくなり、財布に優しいですよ。


PA040037.jpg

<ロボットの仕様>
○ホームセンターで購入可能な2mm厚樹脂板(写真の白色は3mm厚)を手加工で製作可能な範囲(軽量化の抜きとかは無し)のシンプルな筐体。
○ギヤモーターTT(ギヤ比120:1)TGP01D-130-120のモータをJoshinスーパーキッズランド店価格320円のミニ四駆モータを採用した3軸オムニ仕様
○ギヤモーターTT(ギヤ比48:1)TGP01D-130-48(ガジェットやTJ-3標準のギヤモーター)のドリブラ
○Li-Fe 6.6V 2800mA (電動ラジコンカー用 フルサイズ) 
○ボールセンサ×4
○ラインセンサ×3
○超音波センサ×3
○方位センサ×1
○重量:924g

設計の過程についての技術解説は、次回公開致します。

【TJ3】XHコネクタ抜き工具【自作】

大人でもXHコネクタ(TJ3に使用しているコネクタ)をコネクタ本体を持って引き抜くのは難しいですね
配線を引っ張って抜き差し、していると”いざ試合”と言うときにトラブルに見舞われます。

そこで引き抜き工具を作ってみました。
IMGP3087.jpg
IMGP3098.jpgIMGP3099.jpg

100円均一で見つけたシュガートングをちょこっと曲げと削りで完成です。
IMGP3084.jpg

お手軽ですのでお試しあれ!
ステンレスに削りを入れるダイヤモンドヤスリも100円均一で売ってました。

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