ロボカップ姉妹の日常

ステッピー&ロック・オンの姉がロボットとか作りつつ制御の勉強してみたり、部品作ってあそんでみたり…

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【ロボット設計】ロボットのタイヤについて【父執筆】

前回に引き続き、父執筆の記事です。
以下、父の文章↓

サッカーチャレンジなど、相手ロボットと押し合う時に必要なタイヤの摩擦力は”摩擦係数×垂直抗力”で決まります。
この式に地面を捉える面積が含まれていないのでタイヤの太さは摩擦力に関係ありません。
この関係は物体が変形しない”剛体”として扱う事を前提としており、摩擦係数は垂直効力の大きさに関わらず一定です。
ゴムの様に変形する物体は”弾性体”として扱い、摩擦係数は垂直効力の大きさによって変化します。

タイヤで動くロボットの場合、”垂直効力”はそのロボットの”荷重”となります。
ゴムでできたタイヤは荷重によって変形します。
ゴムタイヤが回転すれば接地部分に変形が生じ、元の形に復元する事を繰り返します。
実はこの変形・復元によって損失が起こっており、ゴムタイヤの大きな摩擦力を発生させています。

また、ゴムの摩擦力は荷重によって摩擦係数が変化します。
これを荷重依存性と言って、こちらのグラフの様になります。

荷重依存性

スポーツカーやレーシングカーが太いタイヤを履くのは、単位面積当たりの荷重を小さくして、高い摩擦係数を得る為です。



例えば、フリローラーがゴムタイプのオムニホイールと中空タイプのゴムタイヤの接地面積を同一荷重にて比較すると次の写真の様になります。

タイヤ比較2

赤の囲いの部分がタイヤと床が接地している部分になります。
この面積を比較するとゴムタイヤはオムニホイールの約8倍になります。
この様に単位面積当たりの荷重が8倍になると摩擦係数は半分になり、押し合いをすればオムニホイールに勝ち目は無い事になります。


では、TJ3B入門キットはゴムタイヤなのでオムニホイール型ロボットに押し勝てるのでしょうか?
入門キットの駆動輪は2個です。また、3輪目は鉄球をフリーホイールにしています。
入門キットのロボットが押し合うと、この3輪目の鉄球に荷重が移動して押し合う力を失ってしまいます。
オムニホイール型ロボットは全てが駆動輪(3or4軸)ですので、比較になりません。

そこで、TJ3Bを“簡単4輪駆動化”してみました。
TJ3Bは前輪駆動と後輪駆動を組み替える為にモーター用コネクタが4個ついています。
キットに付属する“ギヤモータTT ギヤ比48:1 540円”を2個追加するだけで4輪駆動にすることができます。
ただし、モーターマウントは別途製作する必要があるので、各自工夫してください。
(前後輪でモーターの極性が逆になるので注意!)
421gの4輪駆動TJ3Bがライトウエイト1085gの4輪オムニ機を押している動画です。

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【ロボット設計】ラインセンサの読み取りタイミング【父執筆】

前回に引き続き、父執筆の記事です。
以下、父の文章↓

定期的にセンサの値を確認する処理方法を”ポーリング”と言います。
ポーリング図2

ポーリングで重要なのはセンサの値を確認した後、次の確認までの時間はセンサの値が変化しても
見えていない事です。
では、どれ位の時間見えていないのでしょうか?

先ず自分のロボットの速度を測りましょう!
2秒間前進して停止するプログラムで移動距離を測ります。
2秒前進

測定結果を2で割って1秒当りの移動距離を求めます。
添付のエクセルシートの”水色セル”に1秒当りの移動距離を入れると
20mm幅の白線をセンサが読み取れる時間が分かります。
エクセル計算書
[計算書はこちら]

以下の図は秒速1mで幅20mmの白線を通過した場合のラインセンサの光量と
ソフトウエアの読み取り間隔を示したものです。
タイミングチャート

センサが読み取れる時間より読み取り間隔が短いと見落としはありません。
読み取り間隔が長いと見落としが起こります。
図の様にぎりぎりアウトの場合は、時々出てしまう感じになります。

センサによっては値の読み取りに時間がかかる場合があります。
例えば超音波センサは値を確認するのに20ms必要です。
前後左右4個のセンサを連続して見る場合は80ms必要です。

皆さんのプログラムに、この様な長い時間ラインセンサを見ていない所はありませんか?
ポーリング図


読み取り間隔が長いと、こんな感じになってますよ。

【ロボット設計】設計値と実際のロボットを比べる手順【父執筆】

前回に引き続き、父執筆の記事です。
以下、父の文章↓




“狙って作る”がテーマですので、検証は大切です。
設計計算上のロボットの最高速度と、実際の最高速度を比較してみましょう。




○モータ電圧

マブチモータの箱に使用電圧範囲と適正電圧が示されています。
http://www.mabuchi-motor.co.jp/motorize/branch/b_0100.html
適正電圧の2倍が使用電圧範囲の上限になっているのが分かります。
ミニ四駆モータには適正電圧のみが示されていますが、負荷が軽く電流が小さい領域で使用する事も考慮して6.0Vは使用電圧範囲内と判断します。
6CHモーターコントローラ(ddk0668t)には保護ダイオードが搭載されており、6.6Vのバッテリー接続時のモータ出力端子の最大(プログラムで100%指定時)電圧はダイオードのVF=0.6Vとすると6.0Vとなります。




○モータ電圧の反映

ミニ四駆モーターは3.0V時の特性にて表記されていますので計算は3.0Vにて行いました。
回転数は電圧比例しますので、6.0V時は単純に2倍を採用します。
120:1・直径46mmのタイヤでの速度は0.48m/s(3.0V)でしたので0.96m/s(6.0V)となります。
(トルクもアップするのですが、負荷の小さい領域で設計しましたので影響は小さいです。計算に入れるともう少し速いと見積もれます。)




○オムニホイールの損失

3軸オムニホイールは進行方向と30度傾いて取り付けられており、周囲のローラーが回転することで、この傾き分の力を緩和することで成り立っています。
傾き分を0.87倍、ローラーの回転ロス分を0.8倍とすると、トータルのロスは0.87×0.8≒0.70となります。
(摩擦損失の設定は大変難しく、ウォームギヤなど摩擦駆動の効率は0.3程度しかありません。DOW64はローラー軸受とシャフトの硬度差が付いていたり低摩擦の要件を押さえてあるので0.8倍と見積もりました)
計算で得られる“おやじロボ”の速度は0.96m/s×0.70≒0.67m/sとなります。




○実際の速度の評価

プログラムで一定時間前進した距離を計る事で速度が計算できます。
加速の過程とトップスピードに達してからの速度が異なりますから、0.5秒と2秒で評価します。
3回走行の平均は

速度評価結果

実際の性能は計算より少し速いですね。
狙って作ったから、“実際”と“狙い”との差が明確になります。
高めだったのか、低めだったのか、どれ位の差があったのかを評価して、その“差”について推論しておくと、“技術者の勘”が磨かれます。
今回は、実際の性能が高めになったので、必要トルクを多めに見積もったか、オムニホイールの損失を多めに見積もったか、どちらも少しずつ多めだったかなど、の推論をしておくと良いでしょう。




○加速度の評価

加速度の評価は3軸オムニにてシンプルに駆動できる6方向を順次切り替えて6角形を描くプログラムを作って、ビデオカメラで撮影して観測します。
進行方向の切替時間は0.2秒としました。



0.2秒の切替に追従した良い動きをしています。
初心者には、この様な加速度重視のロボットが好ましいと思います。
ソフトを学ぶ際には、先ず徹底的にハードの不具合がない状態にする事が望ましいでしょう。
ハードの追従性の悪さが、ソフトの問題と混ざると“何をやっても良くならない”状態に陥ります。

心当たりはありませんか?

次回はラインセンサについて解説致します。

【ロボット設計】トルクからモータを選ぶ方法【父執筆】

前回に引き続き、父執筆の記事です。
以下、父の文章↓






・“定格”をご存知ですか?

定格とは“使用限度”と考えれば、理解し易いと思います。
定格電圧10Vであれば、これを超える電圧を印加すると部品が故障、性能低下、寿命が短くなるなどの不具合が発生します。
定格を超えない様に余裕を持った設計(選定)を心がけましょう!

モータを選定する場合はバッテリー、モータードライバボード、配線の定格電流を知る必要があります。
詳細の計算については別の機会に解説します。
〇バッテリー2800mAh×40C=112A
〇モータドライバ6CHモーターコントローラ(ddk0668t)のXHコネクタの定格電流3A
〇XHコネクタ用配線(AWG22)定格電流4A
となり、この中の一番低い定格電流3Aを越えない範囲でモータを選びます。




・パワーアップモータの選定

入手性の良さ、お手軽な値段を考慮して、タミヤ・ミニ四駆モーターから選定します。
モータの構成部品に“ブラシ”と言うのがあります。
ロータ側の電極(整流子)に電気を良く通す材料を押し当てて、電流を流す仕事をします。

このブラシには金属ブラシ、貴金属ブラシ、カーボン(グラファイト)ブラシの3種類があります。

○貴金属ブラシ:馴染みがないと思いますが、電流を流すのに必要な押し当て圧力が非常に小いので低い電圧や少ない電流で回転することができます。
マブチ・ソーラーモーターに採用されています。

○金属ブラシ:FA-130、RE-260など、お馴染みのモータに採用されています。
ブラシ自身が板バネを兼ねていて、低価格になります。
ブラシの押し当て圧力も小さく定格電圧1.5Vのモータの多くは、この方式です。

○カーボンブラシ:電気を伝える部分にカーボン製のブロックを用いて、強い押し当て圧力によって、整流子に接触させます。
これにより接触部の面積が大きく、大電流を供給することができますが、摩擦が大きい為に小さな電流では回転しにくい欠点があります。
カーボンブロック自身が頑丈なので、起動・停止や正転・逆転の繰り返しに強い特徴もあります。

ロボットの駆動用モータは、起動・停止や正転・逆転を繰り返しますので、カーボンブラシタイプを選択します。

カーボンブラシタイプの消費電流は
http://www.tamiya.com/japan/download/pdf/mini4wd/parts/mini4wd_motor.pdf

○ハイパーダッシュ3:3.0A
○パワーダッシュ  :3.3A
○スプリントダッシュ:3.8A
○ウルトラダッシュ :5.0A
○プラズマダッシュ :5.2A

となり、使用可能なのはハイパーダッシュ3のみです。

今回は、無負荷回転数・停動トルクに加えて無負荷時電流・停動トルク時電流の4点を用いてグラフを作ります。
この計算書(水色のセルが入力欄です)の無負荷回転数の欄に32500rpm、停動トルクの欄に40.3g・cm、無負荷時電流の欄に400mA、停動トルク時電流の欄に3000mAを入力すると下図の様になります。

チューンモータギヤ比4種グラフ

赤い線が回転線、青い線が電流線です。
適切な負荷計算を行わずに、モータに高い負荷を強いると、パワーが出ない、消費電流が大きい、発熱する、寿命が短いの四十苦に陥ることがイメージできると思います。

計算書の“必要トルクから回転数を求める”の欄に1300を入力、各ギヤ比を“ギヤ比を入力”の欄に入力すると、ギヤモータの出力軸の回転数・トルク・電流が計算できます。

計算結果をまとめました。

チューンモータギヤ比4種

計算結果から87:1がベストです。
1300g・cm時の電流は1.4Aですので、モータ2個同時に動作する事を考慮すると2.8Aになります。
今回搭載した2800mAhのバッテリーでの稼動時間は2800mAh÷2800mA=1時間となります。
120:1の場合は1.1Aに電流低減できますので、モータ2個同時2.2A
2800mAh÷2200mA≒1.3時間となります。

おやじロボは87:1への換装が面倒だったので120:1のままハイパーダッシュ3モーターにしました。

【ロボット設計】ギヤモータを選ぶには。【父執筆】

前回に引き続き、父執筆の記事です。
以下、父の文章↓





・ギヤのしくみ

ギヤのしくみは“てこの原理の応用”です。
てこの原理は棒を支える”支点”、力を加える”力点”、おもりを置く場所を”作用点”と呼びます。

てこ

支点からの長さの比が5:1のてこを考えます。
長い方に10kgの力を加えると、短い方では50kgのおもりを動かすことができます。
ここで注目して頂きたいのは、力点と作用点の移動距離(赤線)です。
移動距離は作用点が1に対して力点が5の長さになっています。

てこ距離

移動距離と重さを掛けた値で比べると
50kg×1(作用点側)=10kg×5(力点側) 左右同じになりますね。

力が5倍になる魔法ではなくて、移動距離が長くなるかわりに力強さを得ているのです。
ギヤは、モータ(ピニオンギヤ)がギヤ比倍回転してギヤの出力軸が1回転する仕組みを作っています。

ギヤ写真

スピード(回転数)と引き換えに力を得ているわけですね。




・モータのしくみ

モータを説明するときには”負荷”という言葉がでてきますが、これは”荷物の重さ”と思ってください。
荷物の持たせ方は下図の様に単純で、半径1cmのプーリーに”おもり”をぶら下げた状態です。
負荷の大きさはモータシャフト中心から1cmの距離に何グラムぶら下げたかで示します。
これを“トルク”と言います単位は”g・cm”です。

g・cm説明図

モータの基本的性能を示す3つの負荷状態がありあます。

無負荷:おもり無しの空回り状態
適正負荷:モータの効率が最も良い状態の重さ
最大負荷(停動トルク):モータの回転が停止に至るときの重さ

モーターを人に置き換えるとこうなります。

モータ負荷説明図

100m先に荷物を運ぶことを目的とした場合。
無負荷の人が1着ですが何も運んでいません。
適正負荷の人は無負荷の人に少し遅れて到着しますが荷物を運んでいます。
最大負荷の人は荷物を持ち上げたまま一歩も移動できないのでゴールできません。
適正負荷から軽い方はモータの能力が余っている状態です。
適正負荷から重い方はモータの負担が大きいだけです。
文字通り“適正負荷”はモータの能力を有効に使えるポイントです。




・設計してみよう!

グラフにするとモータの特性をイメージし易いです。
必要なのは空回りの時の回転数(無負荷回転数)と最大負荷(停動トルク)の2点だけです。
例としてTJ-3のモータをマブチFA-130モータ相当として計算します。
こちらの計算書(水色のセルが入力欄です)の無負荷回転数の欄に12300rpm、停動トルクの欄に36g・cmを入力すると下図の様になります。

回転線図擬人化

モータの出力は回転数×負荷の関係になってます。
負荷が“0”でも、回転数が“0”でも出力は出ません。
モータ出力を最大にするには丁度真ん中の回転数6600rpm、トルク18g・cmの所になります。
適正回転数は、だいたい無負荷回転数の7割ぐらいと考えて良いでしょう。

ここで仮に最大出力トルク18g・cmのモータに直径4cmのタイヤをつけたらどうでしょうか?
半径2cmのプーリーに変更する訳ですから、てこの原理で、ぶら下げられる“おもり”は1/2の9gになります。(負荷の説明図を見てイメージして下さいね。)
9gでは、1100gもあるロボットを動かせそうにありませんね。
そこでギヤが必要になります。
目標トルクの設定の仕方は過去記事を参照下さい。
ここでは2個(3軸オムニは常に2個以上のモータを回転させるので)のギヤモータでロボットを吊り上げることができるトルクを設定にします。1100gを2個で分担するので1個当たり550g、直径46mmのオムニホイールの場合、半径23mmですので550g×2.3cm=1265g・cmとなります。
まるっと、丸めて1300 g・cmとします。
“ギヤモーターTT”は48:1、87:1、120:1、220:1の4種類です。
計算書の“必要トルクから回転数を求める”の欄に1300を入力、使って各ギヤ比を“ギヤ比を入力”の欄に入力すると、ギヤモータの出力軸の回転数とトルクが計算できます。

計算結果をまとめました。

ギヤ比4種

48:1には負荷が大きすぎる様ですね。
220:1は減速が大きすぎて速度がでません。
87:1、120:1が候補ですが、この結果はロボットが機嫌よく走っている状況ですので、相手ロボットと押し合う事を考慮して120:1を選択します。
ちょっと遅いですが、プログラムの検証には向いています。
実際にパルスボールの補足やアウトオブバウンズしないライン処理を完璧に仕上げるまではノーマル120:1を愛用しました。
確実に動作するプログラムが出来上がったら、次はパワーアップです。
FA-130系モータは色々な模型に採用されていますので、これらをギヤモータTTのモータと交換することでパワーアップが可能です。
交換は容易ですが、モータの最大消費電流には注意が必要です。
TJ-3B COREやTJ-3Bなどの本体モータドライバにはノーマルモータ以外は絶対に接続しないで下さい。
モータドライバボードの定格電流の70%までに収まるモータを選定する事をお勧めします。




パワーアップ用モータのお話は次回解説致します。

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